THE STORIES

"THE STORIES は世界中で起きているかもしれない出来事を紹介し続けるだろう" - 管理人

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命の生みの親、母なる海

私達、人間も遠い昔、その青い水から誕生した

そして、今もそこには命が息づいている

歌うクジラ、躍動するイルカ、美しい群れを作り出すアジやイワシ、そしてその小魚を求めやってくるマグロの群れ

日光の差し込まない海底に潜んでいる、アンコウ、立ち泳ぎをしているタチウオ、美しいキンメダイ

あなたのまだ見ぬ海の世界へ、今日は共に旅立とうーーーー


封切りされたドキュメンタリー映画「The Great Ocean」を見終わり、感動した欧米人らは皆口々に母なる大海原の偉大さを褒めたたえ、嘆息を漏らしたのであった

一方、同じ映画を見た日本人らは、映画館を出るとすぐに計画していたかのように回転寿司へと足を向けたのであった

ー END ー

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「この前、みんなでワカサギを釣りに出かけたんだ」

昼休みにアキちゃんが思い出してそう言った

「いいね、楽しかった?」
「結構楽しかったよ、釣れたからさあ」
「えーすごい!どれくらい?」
「えっと、私だけで50匹ぐらい?」
「マジで、すごいじゃん!」
「美味しかった?天ぷらだよねぇ、ワカサギといえば」
「うんうん、天ぷら美味しかったー」
「えぇ、いいなぁそれ」

「エサは何をつけてるの?」

すると、嫌な顔をした由紀子が言った

「私も釣りに行かされたことあるんだけどね、あれって気持ち悪いエサ使うでしょ?ミミズとか、あれが苦手なんだよね...」

「あ、それは問題ないよ」

すると、アキちゃんはあっけらかんと笑い、こう言った

「ワカサギ釣りはカラバリっていう、何もつけない針で釣れるんだよ」
「エサつけずに釣るの?」
「そうだよ、一杯針のついてる糸を垂らすだけ」
「んじゃあ、エサはその辺にまくとかするの?」
「ううん、違う、何もせずに垂らすだけ」
「うそう、じゃあなんで針に食いつくの?」
「ワカサギ、死にに来てるじゃん」
「なんていうこと、おかしいじゃん、それ」

「...実は、そのワカサギ達の前世は釣り人だよ」

霊感の強いチカちゃんがそう言ったこともあり、周りの空気は一瞬にして凍り付いた
みんなの顔がみるみるうちに青ざめる

そう言われたアキちゃんは泣きながら、弁当を開いて「これをあげる」と、ワカサギの天ぷらを分けてくれた

「あ、ありがとう...」

私達はそれは少し躊躇しながらも食べ、チカちゃんの顔を伺った
彼女は何も言わなかったが、その口元にはミステリアスな微笑みがあった

ー END ー

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ー 俺の名は翔、そしてこいつが学、俺のダチだ。2人揃っての初登校、だが...早くも嫌な予感しかしねぇ...なんだ、なんなんだこの殺気は!?... ー

20XX年4月1日 初登校日: 1年B組

ガラーガラー...

先生と思わしき人物が入ってきた、この人がきっと先生なのだろう。そう2人は思った、翔と学はその人物のあまりにも鍛え抜かれた肉体に呆然としていた。身長はゆうに2mを超え、体重は150kgほどか、年齢はまだまだ若く20代に見えた

人物「おぉい!俺が先生!ね!んじゃ初日から飛びてくっからぁ!」

その人物が突如出した大きな声に最初は戸惑う翔と学であったが、2人にとってはさほど想定外というわけでもなかった
なんせここは世界最底辺、卒業生は1人、偏差値測定不可、そして毎週5人の行方不明者が出ることから、"ファイブ" と呼ばれ人々から恐れられている伝説の学校、卍ヶ丘高校だからだ

先生「1限は俺と違う先生!だからぁ俺出てく!俺ら今日から仲間だから、ね!気合入れてこーなー?」
生徒達「あぁい!」

生徒達の威勢のいい返事が飛ぶ、その直後、ある生徒がこう言った

生徒「あいあい!先生、俺一発目いっすか?」

翔と学の2人は黙って後ろから見ていた

先生はいいと言った、するとその生徒は隣の生徒をビンタし蹴飛ばした挙句、ジャイアントスイングで窓から放り出してしまったのである

「これがファイブか...」
翔と学は黙ってお互いの顔を見合わせた

先生はニヤリと笑い教室を後にした
2人はこれからの学生生活に強い不安を感じざるを得なかった、なんにせよ、初日から早速挨拶がてらに1人窓から放り投げられたのである

1限: 英語
翔と学は共に授業が行われる教室へと足を運んでいた、廊下は "私語厳禁" "日々鍛錬" など、いかめしい張り紙で壁が埋め尽くされている

2人が教室に着くと、なぜか既に授業が始まっており、英語の先生と思わしき人物に生徒達がケツを叩かれている

時計を確認するも、まだ授業が始まるまで5分ある、2人は疑問に感じつつ後ずさりしていると、既に背後に英語の先生らしき人物が立っており、途端に2人は教室に連れ込まれてしまった

見た目は最初の巨漢の男よりは優しそうな眼鏡をかけた初老の女性だったこともあり、
翔は恐る恐る口を開いた

翔「授業はまだですよね?あと、ここは入学式とかはしないのですか?」
初老の女性「これが入学式だよ!」

女性はそう言うと、生徒を学の方へ投げつけ、学も受け取ることができずに勢いよく2人とも窓を飛び越えそのまま落ちてしまった

ー 10日後 ー
友人を失った翔はこの日、学のお葬式へ参列していた、しかし欠席扱いになると警告を受けていた翔はまだ悲しみ覚めぬ間に学校へと向かわざるを得なかった

この日、5限を終え自宅に向かおうとしていた翔であったが、校内の学生運動団体「革命軍」による校長室での自爆テロに巻き込まれ他界した

翔の母親が部屋で翔の遺書を見つけた
初登校日の朝書かれたものであった
「俺は自分が最強かどうかの自信なんてない、それを知るために卍ヶ丘へ行く
じゃあな」

"最強か、死か、どちらかだ"
 - 卍ヶ丘高校校長 故 富田 達志

ー END ー

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