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ー 小学4年生の夏、純太は夏休みの間は母親に勧められ水泳教室へ通っていた。8月11日、今日が純太が水泳教室へ向かう最後の日だった ー

純太「母さん、行ってきまーす!」
母「行ってらっしゃい!あんたは本当、教室の日になると途端に元気になるんだから...」
純太「いやいや、水泳教室だって疲れるよー、だって先生すごい怖いもん、父さんとは大違い!」
母「そうは言ったって帰ってきたと思ったらすぐ遊びに行っちゃうじゃないのー、元気なのはいいけど怪我はないようにね。じゃ!」
純太「ほーい」

バタン!

純太はいつも通り勢いよくドアを閉め、送迎バスへ足早に向かった...

不動産屋で働く純太の母は仲の良い同僚・莉子と共に昼休憩を過ごしていた

莉子「あ、そういえばこの前行ってた水泳教室、純太君どう?上手に泳げるようになった?」
母「純太はもうすっかりハマっちゃったみたい。練習というより遊びに行ってるという感じ...笑」
莉子「最近多いよねぇ水泳教室行かせてるお家、うちの子も夏休み何かさせた方が良かったかなぁーなんて」
母「まあうちでゴロゴロしてるよりは外でてもらった方が健康的だしねぇ」

その頃、水泳教室では、クロールが出来てないと純太に対して先生がつきっきりで指導にあたっていた...

先生「おい!純太!コラ!違う違う!そこで頭上げてどうする!!!
ペースをつかめペースを!先生そんなこと一言も言ってないぞ!」
純太「はい!」
先生「でも少し良くなってきたな...最初に比べたら良くなった、あとは形だな」
純太「先生疲れたんで一旦出ていいですか」
先生「いや...純太、今日は最後なんだしクロールもっと仕上げよう。ここで休ませるわけにはいかない、気合い入れていこうな!?」
純太「...」
先生「返事ぃ!!!!!」
純太「はい!」
先生「もっと声出せ声!いい加減にせぇ何度言ったら分かる!...ってまた頭上げた!そこを直せ!いい加減にせぇ!!!!!」

そんなやり取りが30分ほど続いた後、純太は先生に他の生徒と一緒に怒鳴られていた
連帯責任で全員が立ちっぱなしで昼休憩を過ごすことになり、皆は純太へ怒りを募らせていた

説教が終盤に差し掛かろうとしていたその時、純太はふと思った。
(この先生、いつもこうだなぁ...厳しいだけじゃない、声も高いし、何かおかしい...顔をこっちに見せようとしない。サングラスかけてるし...何かやなことでもあるんだろか)

先生「ん?純太なんだ?」

純太は制止を振り払いサングラスを無理やり取り、先生の顔を見た

純太「と、父さん!?」
周りの生徒達「...」

先生は結局何も言わずまま走り去った、純太が追いかけたものの、既に彼の姿はそこになかった

純太はそのことを家に帰り母に伝えた

純太「...だからあれ絶対父さんなんだよ」
母「いいじゃない父さんでも誰でも、それより...」

母は話を逸らすと、夕飯の支度へ向かった

家族全員揃っての夕飯だった

純太「父さんって、水泳教室の先生だったの?」
父「もういい加減その話はやめよう、しつこいぞ純太!」
純太「でも...」
父「大体、純太がクロール苦手だから今日こそはと...あ!」
純太「ヒヒィ!...」
母「あららー...」

父は大急ぎで風呂場に走り、バスタブの中に飛び込み、急いで蓋を閉め息を潜めた

純太「おいコラ待てぇ!何やこれぇ!」

純太はそう言うと、風呂場まで追いかけてきて、バスタブの中にいる父を捕まえ、リビングへ連れ戻した

母「なんでそんなに大きな声あげるんよ純太ー」
純太「でも父さん、なぜか隠してたしやたらと厳しいしで最悪やった!」
父「クロール出来るようなって良かったやんけ」

深夜
罵声が轟く家に近所の通報により多数の警官が乗りこみ、母は警官への暴行により傷害罪・父は不正に水泳教室に侵入し不法侵入及び元教師の監禁罪で逮捕されることとなった

ー END ー